まずはじめに、
「海外にいるだけで英語が話せるようになる」という考えは捨ててください。
海外にいても勉強しなかったら英語は上達しません。
実際、
筆者は4年間アメリカに留学しましたが、
最初の1年は英語の勉強を一切しなかったせいで1ミリも英語が上達しませんでした。
筆者は留学して1年が経ってからやっとしっかり英語の勉強を始めて、
そこから徐々に英語が上達していき、
最終的には飛び級をして早く卒業できるほどまで成長しました。
今考えても、留学1年目で英語をしっかり勉強し始めて本当によかったです。
あの時何もやらずに過ごしていたら…
4年間も留学してほとんど英語を話せずに終わっていたかもしれません…
「留学すれば英語話せるようになるだろう」
↑
こんな風に思っているそこのあなた。
英語はそんなに甘くないですよ。
しかも何ですって?1年?半年?3ヶ月?
それしか留学しないんですか?
だったらなおさら英語を勉強しないとヤバイですよ
ということでこの記事では、
- これから留学する予定のある人
- 今まさに留学中の人
に向けて、留学生に最適な英会話の勉強方法を紹介していきます。
この記事の要点まとめ
はじめに:英会話を勉強する上で1番重要なのは『レパートリー』を増やすこと
英会話を勉強する上で意識すべきなのは場面ごとに使える英語の『レパートリー』です。
例えば、
- 初めて会った人との挨拶の場面でどういう英語を使うか
- カフェの店員さんと会話になった時にどういう英語を使うか
- 同世代の人と自分の家族の話になった場合にどういう英語を使うか
- …etc
などなど、細かいレパートリーを増やしていくことがとにかく重要です。
『レパートリー』が重要な理由:日本語でもバーに行ったことがない人はバーでの注文の仕方はわからない
高級なバーに行ったことありますか?
行ったことがない人は高級なバーでの注文の仕方はわかりますか?
「○○ベースで炭酸は有/無しでサッパリ/甘めのカクテルをお願いします」
…(略)
テンプレートとして覚えておきたいのがこのオーダーです。
1. ベースとなるお酒はなにがいいか
2. 甘口か辛口か
3. 炭酸入りか無しか
4. お酒は強め、普通、弱めか
5. 苦手なお酒や食材(カクテルならフルーツとか)はあるか
6. 事前に食事をしていたら何を食べてきたか
↑こんなセリフ、初めてバーに行った人が言えるわけないですよね。
何が言いたいかって、
たとえ日本にいても、高級なバーに行ったことがない人は高級なバーでの注文の仕方なんてわかりません。
なぜなら、
初めての人は高級なバーで使う日本語の『レパートリー』をまだ持ってないから。
高級なバーに慣れるには、最初は自分で調べるなり、他の人の真似をするなりして、注文の仕方を学ぶ必要があります。
それで回数を重ねることで初めて、その人の中に「高級なバーでの注文の仕方」という日本語の『レパートリー』が出来上がるわけです。
英語だって同じです。
英語で挨拶したことない人に、英語での挨拶の仕方がわかるわけがありません。
その人は英語ができない訳でも、文法力がない訳でもありません。
ただ、英語での挨拶の仕方の『レパートリー』を持っていないだけ。
英語での挨拶の仕方を自分で調べて覚えておけば、英語での挨拶の仕方に困ることはなくなります。
つまり、「挨拶の仕方」という英語の『レパートリー』を持っておく必要があります。
- お店で買い物をするのにも、
- 友人と話すのにも、
- プレゼンテーションをするのにも、
- …etc
何をするのにもその場面に使える英語を知っておく必要があり、その場面の『レパートリー』を持ってない人はその場面には対応できません。
逆に、
『レパートリー』さえ豊富に持っていれば、
自分で英語で言いたいことがあるときに言えるようになるのはもちろんのこと、
会話の中でも「この場面ではこういうことを言うんだろうな」と、相手が話す英語の予測ができるようになるのでかなり聞き取りやすくなります。
たくさんの場面の英語が日常生活に溢れていて『レパートリー』増やせる機会が多いから、海外に行くことが英語学習には良いと言われています(持論)。
留学前でもできる具体的な英会話勉強方法
ここでは比較的基礎的な勉強から順を追って紹介していますが、
個人の好みでやりたい勉強から進めていって問題ありません。
ステップ1:瞬間英作文で基本的な英文をひたすら覚える
英会話初心者がまず取り組むべきなのが、瞬間英作文。
日本語を見たらすぐに英語に変換できるように基本的な英文を徹底的に覚えます。
瞬間英作文とは、
基本的な日本語の文章を見たらその瞬間に頭の中で英文に変換(翻訳)できるようにひたすら英文とその訳を覚える勉強法
この瞬間英作文の勉強では、
基本的な文章をひたすら覚えます。
覚えるだけです(それが大変なのですが…)
この教材1冊を5周も10周もして、教材の中の日本語を見たらすぐに英語に変換できるようになるまでひたすら繰り返します。
ここで紹介している「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」では
日常会話で使われる超基本的な英文がただ並べられていて、
この本に書いてある英文を頭に染み込ませたら、なんとなく言いたいことは英語で言える力がつくので、
今まで英会話をしたことがない人の最初の教材には最適です。
具体的な勉強方法は以下で紹介しています。
(準備中)
瞬間英作文で英会話の勉強をすると…
- 簡単なことならすぐに英語が口から出てくるようになる
- が、リスニングの力はあまりつかない(リスニングは次のステップ)
ステップ2:英会話学習専門ポッドキャストで場面ごとの会話を耳で慣れる
瞬間英作文で基本的な英文のレパートリーができたら、
次はポッドキャストを使って英語を耳で覚えましょう。
ポッドキャストとは、
無料でラジオのアーカイブを聴けるサービス。英会話学習に限らず、あらゆるテーマを扱ったチャンネルがある。ここで紹介しているのは英語学習専門のポッドキャスト。
基本的に英語学習用のポッドキャストでは、
2〜3分程度の場面ごとの日常的な会話が収録されており、
そのあとにその会話の解説があります。
場面ごとに分けられているので『レパートリー』を増やすのには最適で、
瞬間英作文より少しレベルは高くなりますが、耳から英語を聞いて『レパートリー』を増やすことができるので、
より実践向けの勉強法です。
また、実際に勉強する際は、
ただポッドキャストを聴くのではなく、
ディクテーションやシャドーイングをすることで、その場面で使われる英語表現を正確に記憶しましょう。
ディクテーションとは、
聴いた英語を一語一句全て文字に書き出す勉強法。最初はかなり難しいが、効果は絶大。
シャドーイングとは、
聴こえる英語のすぐ後についていくイメージで、聴こえた英語をそのまま口に出して繰り返す勉強法。これも最初はかなり難しいが、効果は絶大。
具体的な勉強方法は以下で紹介しています。
(準備中)
ポッドキャストで英会話の勉強をすると…
- 日常的な幅広い場面の英語を頭で考えずに理解できるようになる
- 簡単な文章であれば会話ができるようになる
おすすめ英語学習用ポッドキャスト1:Culips
無料で200以上の日常的な場面の英会話を聴けます。(解説をダウンロードするには有料のメンバーになる必要あり)
かなりラフでリアルな英会話表現が多く使われていて、日常会話の『レパートリー』を増やすには最適です。
サンプル↓
おすすめ英語学習用ポッドキャスト2:ESLPOD
有料で1000以上の場面で使われる会話が聴き放題。
1つ1つの場面が2分程度にまとめられていて聴きやすく、
解説も英語学習者に向けた非常にわかりやすい構成になっています。
サンプルレッスン→Daily English 998 – Meeting a New Neighbor
ステップ3:Huluでひたすら洋画を観てレパートリーを増やす
上で紹介した瞬間英作文とポッドキャストを使って、基本的な会話の『レパートリー』がある程度増えたら、
今度は洋画や海外ドラマで、長尺の英語を聴きまくりましょう。
洋画には基本的な英語だけでなくその作品に合わせた専門的な表現も多く出てくるので、
かなり幅広く『レパートリー』を増やすことができます。
まずは字幕なしで視聴して、
わからない部分は英語字幕をつけて理解しましょう。
この勉強法におすすめなのが、
HuluやNetflixなどの動画配信サービス(VOD)で、
月額1000円前後で登録すると10000万本以上の動画が見放題になります。
U-NEXTやAmazonプライムビデオなど、VODはたくさんありますが、
ここでは、英語字幕を使えて、字幕の切り替えがワンクリックでできる、
をおすすめしています。
具体的な勉強方法は以下で紹介しています。
(準備中)
洋画で英会話の勉強をすると…
- かなり細かい場面の表現が理解できるようになる
- まだスムーズに会話をすることは難しいかもしれないが、長尺の英会話もある程度理解して返答できるようになる
ステップ4:発音を学習して外国人に伝わりやすい英語を話せるようになる
瞬間英作文、ポッドキャスト、洋画で、かなり幅広い英語の『レパートリー』ができたら、
発音の勉強をしましょう。
「thank you」と正しく発音できますか?
サンキューではありません、テンキューでもありません。
「(舌の先端を上前歯の先につけて)thェン(喉の奥に下を当てて)kユー」です。
これまでの学習で『レパートリー』をたくさん持っていても、
発音が悪いせいで相手に伝わらなかったら意味がありません。
母音・子音・英語のリズム・アクセントをしっかりと勉強して、
「ネイティブの人に伝わる英語」を話せるようになりましょう。
また、正確な英語の発音の仕方を知っていると、
ネイティブの人がナチュラルスピードで英語を話しても細部まで聞き取れるようになります。
教材については、
「Rachel’s English」が最適です。
アメリカ英語の発音に限りますが、
母音・子音の音の出し方から長文での英語の発音の仕方まで完璧に解説してくれています。
発音マスター本→https://gumroad.com/l/pronunciation
YouTube↓
具体的な勉強方法は以下で紹介しています。
(準備中)
発音を勉強をすると…
- ネイティブの人に伝わる英語が話せるようになる
- ネイティブスピードの英語が鮮明に聞けるようになる
ステップ5:頻出度順に英単語の意味・発音をひたすら覚える
瞬間英作文、ポッドキャスト、洋画で、かなり幅広い英語の『レパートリー』ができて、
発音も学習して、ネイティブスピーカーに伝わる英語を話せるようになったら、
あとは自分でできることは単語力です。
「単語力」と言っても、単語の意味を知るだけではありません。
単語の意味+正確な発音を頭に叩き込みましょう。
特にこの「単語の発音」が大切で、
1つ1つの単語の正確な発音を知ってさえいれば、
どんなに難しい単語やフレーズでも会話のなかで意味が予測できるようになります。
単語の発音の詳細は以下で解説しています。
(準備中)
単語の勉強としておすすめなのは、
「頻出度順に1つ1つ単語の意味と発音を確認していく」
という勉強法で、教材は必要ありません。
Wiktionaryというサイトで、
TV・映画で使われる英単語が「よく使われる順」に1〜40000位までまとめられているので、
この頻出度順に1から意味と発音を確認していくといいです。
ちなみに、このサイトの
- 頻出度1〜1000位の単語だけで全ての会話の85.5%
- 頻出度1〜10000位の単語で全ての会話の97.2%
をカバーできます。
Top 1,000 words cover 85.5% of all words (24,981,922/29,213,800).
Top 10,000 words cover 97.2% of all words (28,398,152/29,213,800).
– Wiktionary:Frequency lists
言い換えれば、
1000単語覚えればなんら問題なく英語で会話できるように、
10000単語覚えればどんな会話でも対応できるようになります。
具体的な勉強方法は以下で紹介しています。
(準備中)
英単語の意味と発音を頻出度順にを覚えていくと…
- わからないことがあっても会話のなかで意味が予測できるようになる
- かなり幅広い場面の会話に対応できるようになる
留学前から英会話をしたいなら、オンライン英会話
ここまで「留学前でもできる具体的な英会話勉強方法」をステップ1〜5まで紹介してきましたが、
この5つのステップの目的は全て「レパートリーを増やすこと」であり、「レパートリーを定着させること」ではありません。
増やしたレパートリーを定着させるには実際にそのレパートリーを使える場面を経験する必要があります。
つまり、いろいろな場面で実際に対人で英語を話す必要があります。
すでに海外に住んでいる人は以下で紹介している「留学中にできる具体的な英会話勉強方法」を実践してもらえれば英語を話す機会はいくらでも作れますが、
今はまだ日本にいるという人は英語を話す機会を作ることは困難です。
そこで、日本で英語を話すためにおすすめなのが「オンライン英会話」です。
オンライン英会話なら、
日本にいても英語を話す機会を作れる上に、
講師にリクエストすれば自分が実際に試してみたい場面の英会話を再現してもらえます。
レアジョブ、DMM英会話などオンライン英会話サービスは多いですが、
私が「レパートリーを増やす」という観点から強くおすすめしているのは「English Central」というオンライン英会話サービスです。
従来のオンライン英会話のようにただ講師と英会話をするだけでなく、
「English Central」では動画を視聴した後に、その動画に関する会話をするので、
毎回のレッスンで全く違った場面の英語を使うことができます。
具体的な勉強方法は以下で紹介しています。
(準備中)
留学中にできる具体的な英会話勉強方法
留学中は、
上で解説した留学前でもできる5つのステップでレパートリーを増やしながら、
以下の4点を生活の中で意識して、増やしたレパートリーを実際に使う機会を作ってください。
1. とにかく、外出する
留学中は毎日外出しましょう。
とにかく外出しましょう。
ひたすら外出しましょう。
留学中は
せっかく海外にいるんだから毎日外出するなんて当たり前だろ
と思っている人も多いようですが、
慣れてくるとわざわざ外出したいとも思わなくなり、
語学や文化の違いから引き篭ってしまう人も少なくありません。
どんなに精神的に追い詰められても、
留学中はとにかく外出しましょう。
2. カフェの店員でも誰でも話す機会があればできるだけ長く話す
留学先で外出さえすれば1人でも自然と英語を使う機会はできます。
しかし、
せっかく英語を話す機会があるのに一言二言で会話を終わらせてしまうのは勿体ないです。
カフェの店員やジムのトレーナーなど、自分の身近にいる人と少しでも長く会話をする努力をしましょう。
内容はどんなものでも構いません。
- なんでもない日だったら「How’s your day going?(訳:今日はどう?)」
- 週始めだったら「How was your weekend?(訳:週末どうだった?)」
などから会話を始めて、膨らませるのが理想的です。
(アメリカではこのような質問をレジの店員に急に投げかけても全く違和感はありません)
会話をできる自信がない…
なんて声が聞こえてきそうですが、
大切なのは会話ができるかどうかではありません、会話をするかしないかです。
3. 日常生活で英語がわからなかった場面をメモする
留学先でネイティブスピーカーと会話をしていると、
理解できないフレーズ、なんて言えばいいのかわからない場面がたくさん出てきます。
そういった状況で会話が詰まってしまうのは仕方のないことですが、
- そのわからなかった英語をそのままにしておくのか、
- 次その場面に出くわした時に困らないように勉強するのか、
このどちらを取るかによって、英語の上達スピードは大きく変わってきます。
もちろん選ぶべきは後者。
英語がわからず会話が詰まってしまっても、そこで落ち込まずに、
次その場面になった時は会話が詰まらないように復習しましょう。
そうやって復習をするために、
生活の中でわからない英語があれば、その都度ノートなりスマホなりにメモができるようにしておくといいです。
4. 家に帰ったらメモを見ながらその場面で使える英語を覚える
毎日外出して、毎日いろんな人と英語を話して、毎日わからなかった英語をメモして、
毎日家に帰ったらそのわからなかった英語を復習しましょう。
復習する際は
「あの時こうやって言いたかった」のように言葉単位ではなく、
「あの場面ではこのような内容の会話が多いから、このような返答を用意できるといい」のように場面単位で復習すると、次回その場面に出くわした時はかなりナチュラルに会話ができるようになります。
具体的な復習方法は以下で紹介しています。
(準備中)
あとは1〜4をひたすら繰り返すのみ
- とにかく、外出する
- カフェの店員でも誰でも話す機会があればできるだけ長く話す
- 日常生活で英語がわからなかった場面をメモする
- 家に帰ったらメモを見ながらその場面で使える英語を覚える
これをひたすら、ひたすら繰り返しましょう。
留学中にこのサイクルを繰り返すだけで、
あなたの英語のレパートリーが増えていき、定着していきます。
まとめ:せっかくの留学、無駄にしないためにも英語を勉強しましょう
改めて言いますが、
海外留学をしても、しっかりと勉強をしないと英語を話せるようにはなりません。
実際、
筆者は個人的に何人もの留学相談を受けてきていますが、
4年間も海外留学したのに英語が話せない人も少なくないんです…
「留学すれば英語は話せるようになる」
そんな中身のない考えは捨てて、今この瞬間からでも英語の勉強を始めましょう。
この記事で解説してきた勉強法を実践していけば、
まず間違いなく留学が無駄になることはありません。
英語ができれば留学は10倍、いや100倍楽しいものになります。
せっかくの留学、死ぬ気で英語を勉強して、
留学し終わった時に心残りのないように努力していきましょう。